最近観た映画の話2

承前

映画、観たら感想なりをアウトプットするまでがワンセットだと思っていて、それがなければ観る意味がほぼないようなものだと思っているんだけれど、「なるべく人に見られて面白いように画像とか入れよう」とか「ネタバレに配慮して折りたたみにしよう」とか考えて書くのが面倒すぎて、ここ4,5ヶ月で観た映画に関しては全くフィードバックを書かずにインプットし通しだった。
これでは本末転倒だし健全でないので、そういうのもう完全に無視して自分用の備忘録として書こうと思った。
世のブロガー達はすげえよ。どうやってあんな面白い複雑な記事を書き続けるモチベを維持してるんだ。

1. 気狂いピエロ(1965)/ジャン・リュック・ゴダール

フランス映画にも手を出すならゴダールを観なきゃ、と思って観たやつ。
出鼻から殺人暴力暴力のオンパレードで治安が終わっていて面白かった。登場人物たちはみんな真面目にやってるからなおさら。
ファム・ファタールものというジャンルには疎いので、感想としては女悪すぎ男アホすぎというのが一番強かった。
トリコロールが嘘みたいに綺麗な画はすごく良くて、終始画面のどこかに青赤白が写っている。
その塩梅も程よくて、くどすぎず、でもずっと鮮やかに美しい。色彩にかけてはほんとに好みだったな。(もちろんそれ以外が悪いという意味ではない)
詩の引用が多かったけれど、フランス文学の教養がもっとあればもうすこし面白みがわかったのかな。惜しい。
突然のピカチュウはめっちゃ笑ったけど今やったらバチバチに叩かれて炎上しただろうな。

2. 勝手にしやがれ(1960)/ジャン・リュック・ゴダール

ピストルズのアルバム名と同じだ!ってことで次に観たけれど、どうも両方とも原題はまったく違うらしい。でもかっこいいよね。
こっちの映画も倫理観と治安が終わってた。GTAの世界か?と思うくらいシームレスに殺人から自動車重窃盗をやるのでさすがに笑った。
気狂いピエロ」はまあ逃避行の為っていう一応の切迫した事情のもとでの犯罪だったわけで、情状酌量の余地はあるんだけど、こっちは「パリに住んでるあの娘に会いに行っちゃお!足がないから車奪ったれ!」くらいの軽さだったので、その方がよっぽど倫理が欠けている。
これを観た後に攻殻機動隊SACを観始めたんだけど、劇中にこの映画の原題(とあるワンシーン、こっちは気づかなかった。)の引用があったのを発見できて少し嬉しかった。これは余談。

3. 8 1/2 (1963)/フェデリコ・フェリーニ

正直あまりおもしろくなかった。
新作の制作に行き詰まった映画監督が半生で関わった女性たちを回想しながら結局病んで自殺する...というストーリーの映画であることは、一回観れば分かることだけれど、逆を言えば一回観なければ分からないことでもある。
初見の自分には先の展開が読めないままちゅうぶらりんがず~っと続く退屈な映画だとしか感じられなかった。
難解な映画というのは聞いてたけど、難解であっても緩急は欲しかったな。
もう1回観れば面白くなるかもしれない。
他のフェリーニの映画も先に観ておけばよかったかもしれない。実際に本人が9作目の制作にあぐねて作った「8と1/2作目」らしいし。

4. タクシードライバー(1997)/マーティン・スコセッシ

有名らしいので観た。
最初に思ったのが「"ジョーカー"っぽい!」で、実際ジョーカーの元になった映画らしい。
戦争のせいで人間性と共感性を欠いちゃった主人公がポルノ映画に女の子を誘うシーンは、面白うてやがて悲しきユーモアを感じられてよかった。
というかこの主人公、やること全部が裏目にでていて可哀想だな。
裏目が好転してヒーローになった結末もアイロニックで、一貫したものを感じるな。
それと音楽!この劇伴はすごくいい。
特にオープニングの、フロントウインドウからの夜の街にクレジットを表示していたシーンの音楽はものすごく雰囲気ができていてよかった。

5. CUBE(1998)/ヴィンチェンゾ・ナタリ

言わずとしれた低予算映画の金字塔(らしい)。
実際変わりばえしない背景に飽きさせない面白い設定とストーリーだった。
ヒロイン(?)の計算能力については、まあそこまで気にはならなかった。
さすがに3の倍数くらいわかるだろとは思ったけど。
あと警官役のおっちゃんめっちゃフレディ・マーキュリーに似てない?似てるよね?


ちょっとまってくれ、意外と多くなってしまった。
そういえば夏休みの一週間くらいは毎日一本映画を観ていた気がする。
さすがに文字数が2000字を超えると人に見られるにも自分が見返すにもよろしくない。
「2」はこのへんにしておいて、あとふたつくらいの記事に分けて書こう。