アキ・カウリスマキの映画を観たいとずっと思いつつ、配信されてるのが2017年のこの作品しかなかったので、「どうせなら古いやつから観たいし......」と放置していた映画。
全体的に仄暗~い雰囲気で、多分北欧の光があんまりない地域の映画だからだと思うんだけど、陰影が多用された画が綺麗でとても良かった。レストランの背景が特に良くて、エンジ色っぽい絨毯だったり暗い水色の壁紙だったり、暗い画に映えるシックな綺麗さがあった。
抑制が効いているのは背景だけじゃなくて、ユーモアも、派手な笑いという感じのギャグはないけれど、シュールな面白みがあってこれも好みだった。
寿司なら売れる!と言ってレストランを適当に和装にして、(でも壁にかかってるジミヘンのジャケット以外は割とちゃんと出来ていて、)主人公は和装の上にジャケットを羽織っていて、寿司にわさびを山盛りにベト塗りして、サーモンを500gしか発注してなくてオイルサーディンでごまかして......というギャグが淡々とツッコミなしになだれ込んでくるシーンなんかはすごく面白かった。
音楽には
路上ミュージシャンの弾き語りっぽい歌がちょくちょく挿入されていて、異国情緒を感じる。あの自作ギター欲しい。
ストーリーもこれまたどんよりとしていて、どちらかというと救いのないやつだけど、それだけに主人公がレストランに拾われて希望を掴む場面の
カタルシスが際だっていた。
他の作品も観たいけどな~~~メルカリでBDボックスが1・2巻セットで5万するんだよな~~~ 定価が各1.7万そこらだからそれほどひどい値段じゃないけど、一作観て気に入っただけでポンと出せる金額じゃないよ~~~~~~